羊と鋼の森 宮下奈都
読了しました。
本当は違う本を読むつもりだったのですが、そちらはこれから♪
村上春樹さんファンの自分にとって「羊」は特別なキーワード。
それ(羊毛)がピアノのハンマーの素材だと知り、この本を手に取りました。
幼少時代を森で過ごした青年が、あることをきっかけにピアノの調律を志す。
新人調律師さんの成長と周囲の人々との関わりや、音、音楽について、暖かく、優しい言葉で綴られた作品です。
レビューには、実際の現場で働く調律師さんからの批判的なコメントもありましたが、こういう業界系の小説って(医療系でもよく見かけるけれど)、detailにこだわると話の辻褄が合いにくくなったり、流れが悪くなったりするので、ある程度は仕方がないのかな・・・と思い、お話として割り切るととても感動しました。
「言葉で伝えきれないなら、音(ピアノ)で表せるようになればよい。」
「ピアノで食べていくのではなく、ピアノを食べて生きて行く。」
「音楽は人生を楽しむためのもの」
「ホールでたくさんの人と聴く音楽と、できるだけ近くで演奏者の息づかいを感じながら聴く音楽は、比べるようなものではない。」
文中には、心に深く入る言葉がたくさんあり、泣いたり笑ったりしながら読み進む姿を、隣で旦那さんが不思議そうに眺めていました。
読み進んでいく度に、いろんな表現からいろんな音が想像できて、豊かな気持ちになりました♪