ジュリアード弦楽四重奏団 京都コンサートホール アンサンブルホールムラタ
ジョセフ・リン(ヴァイオリン)
ロナルド・コープス (ヴァイオリン)
ロジャー・タッピング (ヴィオラ)
ジョエル・クロスニック (チェロ)
モーツァルト:弦楽四重奏曲 第19番「不協和音」
ワーニック:弦楽四重奏曲 第9番 (日本初演)
ドビュッシー:弦楽四重奏曲
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アンコール
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲 第16番 第三楽章
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喉の調子はずいぶん良くなり、声も出るようになりました。
念のため、咳止め内服・マスク・のど飴持参での参加。
どこかでお知らせを見た瞬間、絶対に行きたいと心に決めて、早い時期にチケットをおさえた公演の一つです。
ジュリアード弦楽四重奏団結成70周年、初の京都公演。
それから、チェロのジョエル・クロスニック氏は、今回の日本公演がジュリアード弦楽四重奏団として演奏する最後の機会とのこと…。
在籍42年ということで、歴代チェリストの中では在籍年数が一番長いようです。
カルテットとしては
「新しい作品をあたかも定評ある偉大な作品であるかのように演奏し、偉大な作品をあたかも新しい作品であるかのように演奏する。」
というのがモットーだそうです。
ただただ凄いとしか言いようのない、偉大さです。
モーツァルトから始まり、アンコールまで…。
いつも以上に静まり返った会場の空気感から、特別な何かを感じ取りました。
「不協和音」の二楽章で深い深いチェロの音色を堪能。
チェリストの歴史そのもののような温かい演奏でした。
ワーニックの2楽章では、プログラムの解説にもあったように、「暗い森の中」が頭に浮かび、さらにpizzの音から森の中をさまよっているといつの間にか暗い洞窟の中に入り込んでしまって、洞窟に流れる小川にポトリと落ちる水滴の音が連想されました。
洞窟の先に、神、ないし、光は…見えたような気がします。
ドビュッシーは、また全然違った雰囲気の音楽で、雲の上をふわりと歩くような気持になりました。
さらにアンコールに感動して、涙が出ました。
こちらのメンバーで演奏されるワーニックは、今回が最初で最後なんだなぁ…(日本では)。
今日ここに集まっているお客さんも、一期一会でこの瞬間を共有しているのだなぁ…。
大切な時間、この瞬間が好きだから、生演奏を聴きにコンサートに足を運ぶのだなぁ…。
などなど。
色んな思いが現れては消えていく、不思議な二時間でした。