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堪能した! ベートーヴェン・ツィクルス vol.4 関西弦楽四重奏団

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ベートーヴェンの弦楽四重奏で一番好きな曲と、一番難解な曲を聴いてきて、素晴らしすぎて、帰宅後もご機嫌な一日でした。

****追記****

ベートーヴェン・ツィクルス第四弾、8月以来の関西弦楽四重奏団の演奏を聴きました。

この前チェロソナタを聴きに訪れたばかりのカフェ・モンタージュ。


一緒に聴きに来た方が緊急会議で少し遅れて…でも開演には間に合ってよかった♪

チェロ弾きの輪が最近広がりつつあり、お連れ様もチェロを弾くので(大先輩すぎるし、恐れ多いけど)、その方が同業者のオケに参加されて、新たな知り合いを見つけられ、私に紹介したいと…でもその方のことは私も知っていたりして、やっぱり世間は狭い。



関西弦楽四重奏団 ベートーヴェン・ツィクルス vol.4

ヴァイオリン:林七奈  ヴァイオリン:田村安祐美 ヴィオラ:小峰航一  チェロ:上森祥平

                         (敬称略)


弦楽四重奏曲 第十三番 変ロ長調 作品130

弦楽四重奏曲 変ロ長調 大フーガ 作品133

作品130は、冒頭のユニゾンからとても好き。今のところ、ベートーヴェンのカルテットの中で一番好きな作品です。

実際に目の前で繰り広げられる音楽、最初のユニゾンから引き込まれていきました。

響きが、4人の囲む空間の中央に集まって、空気の振動とともに何らかの化学反応が起こってこちらに飛んでくる感じ。

私はたぶん、この瞬間、この感覚が好きで、この空間に足を運ぶのだと思います。


大フーガは前にも一度生演奏を聴いたことがあるのですが、その時は正直、事の重大性に気付いていなかった。

でも一応、その時も、音源を聴いているだけでは、よく分からない曲だな…。

というのが第一印象で、実際に生演奏を聴いて、めちゃめちゃ難しそう!合っているのかも曲を知らないとわからないかも。理解しがたいけど、ベートーヴェン様凄い!という単純な感想を抱いた気がする(でもブログには一切書いていなかったりして、当時の自分に今の自分ががっかりしている(笑))


今回は、その反省をもとに事前に予習をしたのですが、スコアを見て、びっくり。

確かにこれを本来の作品130の終楽章に持ってくるのは無理がある、初演当初批判が出たのももっともだと思いました。

この曲を、スコアを見ずに、いつもの「THE 運転中音楽鑑賞」をした場合、各パートを追いながら絡みを考えて聴いていると、混乱して事故を起こしそうになります。また寝る前にスコアを観ながら音源を聴いていると、目が冴えてきてしまい、眠れなくなる曲です(笑)。

でも今回は、全パートの全部の音を聴けていたかは自信がないけど、各パートの自己主張のようなものが時には均等に、時には突出して聴こえ、また、心の叫びのような部分も美しく聴こえて、何となくですけど、輪郭がはっきり分かってきたように思いました。

という訳で?!

今宵のTake home messageは…単なる感想で月並みなんですけど、圧倒されすぎてあまり言葉が出ないもので、

「大曲を演奏するって大変そうだけど、奏者の方々4人ともとても恰好良い!」

と実感する、濃密な一時間強でした。

大フーガを間近でライブで聴けて本当に良かったです。大満足!

いつもは批判的な辛口コメントの多い連れ合いの先輩Drも、この日はとても満足気に帰っていきました。

演奏の最後に、定番?!ヴィオラの小峰さんの解説というかご挨拶が入るのですが、期待通りの楽しいお話しでした。

渾身の演奏の後に、ふんわりとした雰囲気のお話しってギャップがあって素敵ですよね。

演奏会終了後に、小峰さんと目が合ってしまったので、光栄なことに直接お話ししてしまいました…。

「演奏ももちろん素晴らしかったですけど、トークも好きです。」と年甲斐もなく、乙女のようなコメントをしてしまいました(^^*)

モンタージュのオーナー様が、ツィクルスも折り返し地点に来ているとおっしゃっていました。次回は来年5月以降のようです。

わ~い、楽しみ。

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余談ですが、年配の友人のビオラ弾きさんと話していて、その方は昔三大Bが好きだったけど、今はモーツァルトやロシアの音楽が好きで、いつしかベートーヴェンが受け付けなくなった、と言っていました。今は譜読みするのも嫌なのだそうです理屈っぽく難解な音楽が生理的に受け付けなくなったと、でも若い頃はむしろ逆で、ベートーヴェンを聴くことでエネルギーをもらっていたと。

今の私はまさにその方の若い頃のように、ベートーヴェンを聴くと安心するし元気が出るんですけど、そのようにその方に伝えると、

「ふふふ…若いね」と返ってきました。

音楽の好みは個人差もあるし、音楽との距離感は年輪を重ねるにつれて変わってくるだろうし、面白い現象だな…と。

音楽の力って不思議ですね。脳科学者もびっくりです。


by morpheus-cello | 2015-12-01 00:40 | Music-2, classic